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藤花図(大久野の藤からイメージして)

この藤は東京都日の出町大久野というところにある藤の樹だが、野生で大きくなった樹なので、真ん中にアラカシと杉の樹を抱き込んで生長している。巻き付かれた杉やカシたちは締め上げられ、成長とともに、幹にフジの枝を食いこませて苦しそうだ。実際に、藤の葉や花は、それらの樹をつたって、最上部まで上り詰め、そこで元の樹が受ける光を奪うように生い茂りる。
半日も座り込んでスケッチをしていると、ふと気がつく。

廻りの地面のあちらこちらから、何十本と藤の枝が突き出して、別種の樹に巻き付きながら、上へ上へと枝を伸ばしている。一つの生命体が地面からわき上がり囲まれているような恐怖を感じる。一見する????藤の美しい花のたたずまいと、同時に他の樹機に寄生して育つ生命力のどん欲な運しさと、そんな姿が描けたらと思う。

130×227㎝ 2007 愛媛美術館所蔵